秋の楽しみ 幸せ読書


イノセント・ゲリラの祝祭

イノセント・ゲリラの祝祭

 現役勤務医でありながら(『バチスタの栄光』がこんなに売れてドラマ化やら映画化された今でもまだ続けておられるのだろうか?)現代医療の問題点を熱く物語として訴えかけ続ける海堂先生の新作です! ペースはやいですね〜。前の作品(剣道的な感じの・・・)読まないうちに次が出てしまいました。図書館でじ〜っと本があくのを待っているせいもあるんですけれども。私もこのくらい、熱い思い入れを吹き込みながらも、個性豊かな物語をつくりだしてみたいです。


こちらが前作。

ひかりの剣

ひかりの剣



 ところで今頃あらためてやっぱり好き! ラブ! と思って読んでいる本があります。P.G.ウッドハウスです。昨日もスポーツジムでマシンの上を駆け抜けながら、やや危ない足取りで夢中になってよんでおりました。でも本が厚めでやわらか表紙のためにすぐとじちゃうので、マシンの本置き場に広げておけず、「ああ〜、すいませんがでかいクリップはありませんか?」とスポーツジムのお姉さんにきいてみようかと思案しておりました。でもたぶん、ない。スポーツジムで分厚い本を読もうとせんとする皆さん、手ぶらで読書に打ち込めるように、でかいクリップは必需品ですよ。Apple iPod nano 第4世代 8GB ブラック MB754J/Aコレよりも必需品です! 


 そうそう、それでクリップを入手したらぜひジーブス・シリーズを読んでほしいのですが、このよさというのは…ううむ、イギリスのユーモア満載・皮肉満載の文章と執事ジーヴスのキャラクターのすごさです! タイトルにもなっているジーヴスというのは執事なのですが、この人がなんともステキな皮肉やらアドバイスやら要望などを、ユーモアたっぷりのこの上なく礼儀と丁寧さと慇懃無礼さと謙譲の意に満ちた言い回しで表現するのです。そしてさりげなーい「とんち」を駆使して、ご主人様を窮地(厄介なアガサ伯母さんがらみ)から救い出します。このアガサ伯母さんやその息子に関する描写もおもしろいので、ほんの一部紹介すると

「まさか君はアガサ伯母さんがロンドンにいるだなんて言うつもりじゃないだろうな?」
「たんにご通過あそばされただけでございます。ご主人様」僕の不安を安らかならしめつつ、この正直者はかく応えた。「奥様方は学校にておたふく風邪にご罹患あそばされたトーマスお坊ちゃまのご看護をなさるべく、彼の地に向かわれる途中でございます」


 彼が言っているのは、この齢重ねた親戚が最初の結婚であげた息子のことである。最低最悪の極悪市民のひとりだ。多くの具眼の士がこいつのことを、英国悪童展示館において彼女の義理の息子のエドウィンよりもさらに上位に格付けされると判断している。奴がおたふく風邪にかかったと聞いて僕は大喜びした。そしてひととき、アガサ伯母さんがそいつを奴からうつされはしないものかとの希望を胸にもてあそんでいた。


P.G.ウッドハウス 『ジーヴスと朝のよろこび』 森村たまき訳 国書刊行会 p10

いいですね〜。とってもラブです。ロアルド・ダールなども高校生の頃から本当に好きですが(あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1)))、そういう感じのムヒヒヒと笑いつつ読んでしまう楽しさがあります。


比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

よしきた、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

よしきた、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

それゆけ、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

それゆけ、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

サンキュー、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

サンキュー、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション)

ジーヴスと朝のよろこび (ウッドハウス・コレクション)

ジーヴスと朝のよろこび (ウッドハウス・コレクション)