死神の精度

「私は人間の死には興味がないが、人間が死に絶えてミュージックがなくなってしまうことだけは、つらい」

死神の精度

死神の精度

私が今一番愛している作家は伊坂幸太郎である。
「重力ピエロ」を読んで以来、その言葉の使い方、キャラクターの魅力、台詞のすばらしさ、ストーリーによるやられ度(まいってしまう度合い)、タイトルの美しさ、などなど全てを尊敬してやまない。その著作の全てがすばらしい。


そして、こうして愛している作家の最新作が出ることほど幸せなことはない。涙が出そうになるし、もったいなくてなかなか読めない。そのくらい大好き!と大声で叫びたい。生きてて良かったなあ・・・とさえ思う。(これは多くの本好きが、すばらしい本に出会ったときに皆感じる幸福であると思う。だから、活字中毒はやめられない。)これはもうささやかな幸せではなく、人生トップ30の幸せの一つである。


本好きというのは人生において、このような点で得をしている。本は無数にあるから、そして次々と出版されるから、夢にような幸せに出会う確率は高い。たぶん恋愛における夢のような幸せに出会う確率と比べると・・・ん?どうかな?たぶん・・・本のほうが高いよね?

よく考えると似ているように思えてきた。どちらもがんばって探せば出会える。

ああ、でも、本の場合は相手はいつもそこに同じようにいてくれる。だから、やはり本のほうが確率が高い。


愛すべき本たち
オーデュボンの祈り (新潮文庫) 重力ピエロ チルドレン ラッシュライフ (新潮文庫) 陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル) アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア) グラスホッパー