風のおまつり


さいころから、このお祭りは大好きだった。
風の音みたいな楽器の音色がずっと遠くから聞こえて、
ぼん、ぼん、とはぎれよく、和太鼓の音が響いてくる。


町の人は皆踊り続ける。
おいしいお酒を飲んで、見知らぬ人も家にあげてごちそうをふるまう。


子どもたちは、普段のルールの「例外」をめいいっぱい許されて満喫できる。
夜更かしをして、お菓子をたくさん食べて、ちょっとお酒も飲んで、甘くてきれいな色の飲み物を飲んで、おもちゃを買ってもらって、てっぽうや輪投げをして・・・。大人たちはみんなにこにこしている。みんなで集まって笑っている。


今年もたくさんの人がいたけれど、やっぱり10時を過ぎて、町の人が町の人のためだけに踊る時間が来ると、町はさらに色っぽくなる。
そんなお祭りが、今日のささやかな幸せでした。
うーん、シアワセ。