どっしりとしたお部屋
今日は不定期な仕事ですが、専門学校のカウンセリングに行ってきました。
しかし、そこにはカウンセリングルームなるものはありません。
そこで、使用したのが・・・学長室です!!
「ええー・・・それはどうなんかな・・・」と思っていたのですが、やってみると、これがなかなかよかったです。どこがいいかというと、“お客様をおもてなし感”と“Thの守られ感”がしっかりとあるのですね。
- 机が大きくて広い。
- ソファーが高級で革張りで、非常にゆったりしている。
- じゅうたんが高級でしっかりしている。
- ホテルのような空調と防音。特にドアの厚み。
- 明るすぎず、暗すぎない窓と電灯
- 扉のついた収納。持ち主の個性を連想させるものは隠されている。
- どっしりとしたリッチな書き物机。クライエントを待つ間、「学長」気分でお仕事☆
- どっしりとした高級回転椅子。ゆったりとクライエントを気持ちよく待てる。
- お茶が出る。
- モーツァルトがかかる。
- 誰も入ってこない。電話もかからない。
- 奥まったところにあり、出入りが他の人に見られない。
なんだかとても気分よく、かつしっかり集中してカウンセリングができました。こういうふうに、アウェイで仕事をするとき、居心地のいい部屋があると、それだけで仕事は半分うまくいきます。
ひどいところだと、部屋のすぐ外を人が走ったり笑ったり怒鳴ったりしています。職員室の目の前であったりします。寒くて椅子が硬くて暗い部屋だったりします。あるいはだだっ広すぎることもあります。電話がかかってきたり、誰かが入ってきたり・・・。
使いなれて勝手がきくホームではなく、アウェイで仕事をするときは、物理的な場所作り・社会的環境づくりからはじめなくてはいけません。クライエントと自分自身が守られた状態で仕事をできるように心をつくします。・・・それだけでもうぐったりします。
病院の中であっても、病院によって、曜日によって、時間帯によって、カウンセリング環境は微妙に異なります。なんだかしっくりこないときもあります。それでもしっかり集中すればいいという問題でもないのです。
それは、外科医にとっての手術室であり、よい麻酔医であり、よいオペ看であり、機材であり、道具であるのです。クライエントが自己の心を対象化し、自己の心と対峙し、もがき苦しみつつも成長するという、しんどくも繊細な心の作業を行う場所は、入念に整えられ、完全に守られる必要があります。理想論的には。理論的には。いや、気持ちとしても、自分自身としても常にそうしたいのにぃ!!
その空間をしっかりと作って守ってあげることは、プロとしての最善の援助に含まれている仕事です。コックさんが食材を買う場所を決め、食材を選び、調理器具を選び抜き、火力を調整し、すべての過程にプロとしての力をこめるのと同じです。・・・でも・・・いつもきちんと力をこめられるとは限らないのです・・・。悲しいデス。妨害・・・限界・・・社会的事情・・・職場のポリティカルな事情・・・経済的事情・・・義理・・・圧力・・・限界・・・時間的問題・・・境界・・・。ああっ、つい愚痴になりそうだった。(もうなっているような。)
自分が納得いく「場」でいつも仕事できたら、それはすごく幸せなことですよね・・・。
ああ・・・今日の学長室・・・ひとつほしいなあ。