大学生の青春小説


『正義のミカタ』を読みました。

正義のミカタ―I’m a loser

正義のミカタ―I’m a loser

大学生の青春小説というカテゴリーとしては、なんだか物足りないというか、いろいろまじって中途半端になっているというか、そういう感じでした。でも、まあ「正義の味方研究部」というのはおもしろかったけど。起承転結がそれぞれ違う小説みたいなニュアンスがあるというか・・・ううむ、悪くはないけど、もっとよい小説になるんではないかという期待をもたせるモチーフなのかなあ。


ところで、この小説を読んでいるときに、他の小説を思い出していました。大学生の青春小説には名作がいっぱいありますね。大学生のときたくさん読んだなあ・・・。
以下、名作をご紹介。もれているものがあったら教えてくださいね。


ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

「青春」という言葉ではくくりきれない青春だけれども。『正義のミカタ』には永沢さんみたいな人が出てきます。どの大学にもこういう先輩っているのかなあ・・・。私は女子大だったからこういう先輩はいなかったけれど、合同サークルでであった某私立W大の先輩にはそんな感じの人がいたような。やたらと頭がよくて、それを適切な方向にムカって放出できるタイプというのか。とにかく『ノルウェイの森』で永沢さんの存在感は大きいですよね。


新装版 青が散る (上) (文春文庫)

新装版 青が散る (上) (文春文庫)

新装版 青が散る (下) (文春文庫)

新装版 青が散る (下) (文春文庫)

最近ふと思ったんだけれど、この作者の小説にはハズレがないんじゃなかろうか。完成度が高いですよね。確かこの小説だったと思うんだけれど、すごく貧乏な主人公が夕暮れの四畳半的なアパートで見つめていたとかげ、思いがけず釘で打たれて動けなくなったとかげが干からびつつあるその姿が、くっきりと記憶に残っています。こんなふうに記憶に残る小説ってあんまりないんじゃないのかな。生きることの息苦しさをすごく感じた小説でした。でもほんとうに好きです。


砂漠

砂漠

東北地方の大学生が友だちのアパートで麻雀ばっかりしている。まあその間に事件や恋しい気持ちやなんやかやあるんだけれど、こういうアパート&麻雀というのも大学生の醍醐味ですよね。私もよく徹夜したものだ・・・。


夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

最近読んだ本になっちゃうけど、これもすごくよかったので外せないですね。大学生の恋ですね。高校生の頃よりも生活圏が広がっているので、なかなか追いつけない、つかまえられないもどかしさ、そして初めての自由の中で知る世界の不思議さと大きさがよく描かれています。いい本です。おもしろい。もう一度大学生になりたくなる。そして古本屋をめぐりたくなる。お酒をたっぷりと飲んで、むんと胸を張りたくなります。


鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

これも最近読んだ本ですが、すっごく面白かった本です。サークル活動というものの不思議な世界、そして恋、そして新しく出会うたくさんの人・・・そうですね、こんなふうにたくさんの人と出会うということが、大学生活の大切なところかもしれませんね。うむ。


うーん、もっともっとあるような気がするけど、思い出せない。
思い出せないってことは、たいしたことなかったのかな。
んーでも、忘れる能力によってもう一度読むことができるのだから、これはこれでいいよね。