宮部みゆき『楽園』のすばらしさ


すばらしいです。
全ての登場人物が生きています。息をして、悩み、苦しみ、日々を生きていることが伝わってきます。
人間が描かれています。

楽園 上

楽園 上

楽園 下

楽園 下

これはあの有名な『模倣犯』のその後ということになるのでしょうか。
小説と小説のあいだに時間が確かに流れていて、それがほんとうに生きた時間の流れ方なのです。あの事件に関わった多くの人たち、あの事件を見ていた人たち、それを知らない人たちが、それぞれに思いわずらい、生活していて、それがしっかりと伝わってきます。


物語ではなく、「人間」が描かれている小説なのですね。


また前半の半分しか読んでいませんが、読み終わりたくないです。


でも、もう一度こちらも読みたいなあ。

模倣犯〈上〉

模倣犯〈上〉

模倣犯〈下〉

模倣犯〈下〉

ルポライターである一人の女性が見つめ続ける犯人、被害者、利用されたもの、その家族、その周りの人々が丹念に描かれています。犯罪小説ではなく、人間小説です。