自己実現の瞬間:今日の医龍・・・ステキ!


今日もステキでしたね〜。
あの人間模様の濃さと、目標に向かって一気に葛藤が昇華される美しさ。
とくに今回の外山先生の物語はよかったですね。


父親に認められない、父親を超えられない息子がつっぱって生きている。寂しさと怒りをかかえている。そのなかで手術の腕のみを競い、患者の全人的存在を診るという余裕をもてない。


葛藤のために視野が狭まっているんですね。自己へのとらわれのために。そんな外山を新しいチーム・ドラゴンが変えてしまうのです。


今回までの間、外山先生は朝田の腕や自己の信念に対するまっすぐさに触れ、これまで彼が目にしてこなかった評価の世界を知ります。大学の医局で出世しなくては認められないという彼の父親の評価世界とはまったく別の、自己の信念にどれだけまっすぐむかえるかということが自己の評価を自分で決めるという朝田の世界。


外山先生は初めて、真の父親的な外的世界にふれたのでしょう。そして成長が起こります。今回のオペはこれまでの積み重ねの結果起こったことです。朝田にまっすぐ「父親のための評価」ではなく「本人のための評価」をつきつけられ、外山先生は狭い窮屈な世界から抜け出し、自分のために成長するのです。


そして視野が一気に開けて、周りの人が存在し支えてくれること、患者さんひとりひとりの生活と命の形、そしてそれらと彼の手術のテクニックが一気に結びつくのです。


素晴らしい瞬間でしたね。あのような真の自己実現の瞬間の素晴らしさ・・・これこそ心理臨床家がカウンセリングで立ち会うこともある、人間のこころの力を見ることのできる僥倖的瞬間です。はぁ〜、よかったなあ。ちょっと涙でちゃった・・・。朝田のあの父性がたまらなくいいですね〜。強さのあるやさしさです。