癒し、癒される関係

なかま



テトさんと私は癒し癒される関係にある。


テトさんは私の妹が苦手だ。妹はテトさんの嫌がることをするのを楽しみとしている。たとえば、テトさんがくろいでいるときに限って、「テトかわいー!」とネコにとって不快な大声をあげ、テトさんをストーブの前の特等席からひっぺがし、うらがえしに抱っこをして重たいおなかを上面に向ける。テトさんはこの体勢を非常に嫌がる。妹が近づくと、テトさんの耳はぺたっと伏せられ、「にゃうー」と憤る。


そんなテトさんは妹が眠ったあと私のひざにやってくる。私がコタツに入ったとたんに現われ、ひざのうえにあがりこみ、私の左手を枕にして「ごろんごろん」と勝手にくつろぎはじめる。こうなっては仕方がないので、親猫が子猫の背中をなめて毛づくろいする感じで、テトさんの背中をわしっわしっとなでてやる。こうするとテトさんは完全にくつろぐ。日ごろのストレスもたまっているのやもしれぬと考え、「テトちゃんはかわいいね〜、いいこだね〜、ごろごろだね〜」とネコの好む低い猫なで声でいろいろと苦労をねぎらう。


こうしていると私もくつろぐ。ネコがくつろぐ様というものは、心休まるものだ。なぜ妹はネコをいたぶるのか理解に苦しむ。しかしかわいがっているつもりなのかもしれない。愛とはなかなか深いものである。