きれいな「常識」ではくくれない男女の関係、アルコール依存、性犯罪
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
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- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/06
- メディア: 単行本
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理解しがたいようでいてすごくリアルなようでいて、あるいはありえないくらいの理想を描いたファンタジーのようでいて、そのどちらにもくくれない、それが「現実」かもしれない。心理臨床をしていてよく思う。この吉田修一の小説を読んでいてそのことを考えた。
別の部分では、性犯罪の加害男性が男性社会のなかで事件とセットで許され受け入れられていくことに苦しむその後の人生と、被害女性がどこまでも自分自身を許せずに、誰にも自分を許していいといってもらえずに苦しむ人生は、直前までおなじようにはしゃいでいても加害者と被害者の性が決して入れ替わることのない、それぞれの性のそれぞれの弱さを考えさせられた。
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しかし、私は土曜日になぜこのようなラインナップで読書しているのだ。
たぶん犯罪小説というかサイコ・サスペンス『スリーピング・ドール』を読んだために、次にファンタジーを読む気にもなれず、図書館からごっそり借りてつんである本の中からこの2冊をチョイスしてしまったのだろう。そしてこんな考察をして夜更かししているあたりが・・・ああ・・・なんというか・・・自分は自分によくあった職業選択をしたのだなって・・・(臨床心理士的ポジティブ・リフレイム−自分をあたたかく受け止めよう−)