もと女性検事補が書く女性検事補が主人公のミステリー
バリに持っていって、ついつい癖になってしまったシリーズをご紹介。
著者のリンダ・フェアスタインはマンハッタンの地方検察庁に勤務していたそうです。性犯罪追訴課を30年指揮してきた経歴の持ち主。すごいですね。かの有名な古典『若草物語』のジョーが隣のおじいさんに言われた言葉がこころによみがえります。“自分が本当に知っていることを書きなさい”というセリフ。このリンダ・フェアスタインも、作者が生きてきた世界を舞台にして、生き生きとキャリア女性を描いています。ミステリーの内容や文章はまあまあというところなのかもしれないけれど、私はこのリアルな女性キャリアの生活にけっこう惹かれて読んでいます。
私がニューヨークでバリバリ働いていたらこんな感じかしらぁ〜
というちょっと夢物語だけどリアルな味わいをがっちり楽しめる小説です。読んでいると女性検事補アレックスになっているような気持ちになります。高層ビルを眺めるマンションに住んで、路上のお店でコーヒーを2つ買って手持ちで裁判所や警察署にかけつける。仕事のあとは近くのイタリアンでちょっとイケメンの仲のよい刑事の友達と「いつもの」お酒をいただきつつ、事件の話をする・・・。隣の部屋には精神科医が住んでいて、お友達として犬を預かったり。仕事の合間にジョギングに行ったりバレエのレッスンに行ったり。かと思えば、性犯罪について女性を守るために断固として戦う。失恋したり、ときめいたり・・・。
う〜ん、私もこういうちょっとオシャレな生活(あくまで実現可能な範囲で)をしている、でも仕事はバリバリな感じの臨床心理士の小説を書けばいいのかな〜。