至福読書体験『猫を抱いて象と泳ぐ』


猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ


すばらしかった〜〜〜


図書館ではやばやとゲットしたけど、これは買ってまた何度も読みたいかも〜と思いました。今までも小川洋子の本は好きだったけれど、私はこの本が一番好きかもしれないな〜。チェスがわりと好きっていうのもあるかもしれないけど、う〜ん、なんだろう。


この作者の本のすばらしいところ、それは例えば老婆令嬢、例えば唇がくっついた状態で生まれた男の子、例えば娘の死をきっかけにふきんを手放せなくなったおばあちゃん、例えば200キロ以上の体でバスを改造した家にすむチェスのマスター、例えばハトを肩に乗せた細すぎる娘、そういった人々の姿がすべて魂と分かちがたく結びつきあっていて、これ以上のない完全な美しい姿に思わせてくれるところ。


そういった美しい魂が相手の魂と響きあうやさしさを奏でながらチェスの棋譜をつむいでいく物語です。いつまでも読んでいたかったし、いつまでも彼にチェスをしつづけてほしかったなあ。


ああ、久しぶりに至福の読書体験だった…。幸せ。もっとこんな本読みたいわ〜。



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