BPDのクライエントによる物語


境界性パーソナリティ障害18歳のカルテ・現在進行形

境界性パーソナリティ障害18歳のカルテ・現在進行形

「死にたいなあ。
 死にたくないなあ。

 生きたいなあ。
 生きたくないなあ。」

(p47)

 生きることと死ぬことの狭間で苦しむ多くのクライエントの日記を読んでいるような気がした。同じ思いを抱えて,苦しみながら,精神科や心療内科に通いながら,なんとか生き延びている,けれどその生き延びることもまた苦しみである彼らの日々に寄り添うクライエント本人,ご家族,医療関係者必読の本である。


 いま診ているクライエントの話のように思えて,一気に読んでしまった。本を置くことができなかった。この本を書いてくれたかおりさんに心からの感謝を伝えたい。きっとこの本を読んで救われる人たちがたくさんいると思う。


 BPDのクライエントに対して「生きてほしい」と強く願うことが正しいことなのかどうか,あまりに苦しく辛いことを願っているのか,カウンセラーもまた悩むことがある。それでもやっぱり,「生きていてよかった」とクライエントが笑って言ってくれる日を願って,今日もがんばる。その勇気をもらった。