スウェーデン発『ミレニアム』はやはりおもしろかった


うーん。おもしろい!
1の上の3分の2まではちょっとおもしろくないんだけど(著者はもとジャーナリストなので説明がしっかりしすぎている面がある),最初の完全な場面設定が終わったあたりから,物語はどんどん面白くなります。


事件そのものは女性を被害者とした悲しいものなのですが,それが2巻へと進むにつれ,著者のジャーナリスト魂が物語の根幹を支え,現代社会が抱える問題へと鋭く切り込んでいきます。主人公とこの著者はたぶんよく似ているのだと思うのですが,社会の間違った問題をそのままにしておいてなるものか! という熱い魂を感じます。


さらに,スウェーデン,オーストラリア,グレナダなどなど,小説の登場人物が移動するとともに読者もまた旅をします。この体感がとてもよくて,本当に旅をしたような気持ちになります。ああ・・・著者がもう亡くなってしまったということが残念でならないです。


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