心理臨床の仕事する上で、臨床心理士資格を取ったほうがよいか?


知人の娘さんが心理学を専攻している大学生か、大学院生らしく、上記のことをたずねられました。私なりに考えてみました。もしよかったら、みなさんもご意見くださいね。もしかしたら、今月受験される方も、目にするかもしれません。もしそうなら、これを読んでぜひがんばってクダサイ☆


私立も公立もほぼ同じように、「臨床心理士」を国家資格に準じたものとして捉えています。文部科学省もそのように扱っています。この資格があるとある程度の給料が保証されます。


やっぱり思うのですが、学校現場で心理臨床の仕事をするのは難しいです。ですから、少なくとも資格を持っていると、学校現場における心理臨床の専門家として、ある程度の(最低限の)自信を持って勤務できます。その先は個々人の研修向上努力が必須ですね。とくにコンサルテーション能力やマネージメント能力が必要です。ある程度の給料が保証されても、やっぱり大変です。医療の場で、面接室に高い動機をもったクライエントが来てくれるっていうのは、本当に素晴らしいことです。そう痛感します。


  • 臨床心理士受験のため、第一種認定の大学院へ行くことの利点があること。

現場で働くのはやはり大変です。
国家資格ではないということもあって、かなりの「腕」がないと認められないということもあります。認定校では、心理査定のやり方とそれを本当に利用者のために使うにはどうしたらいいか、またカウンセリングの理論や技法、実習、ロールプレイ、実習におけるスーパーバイズなどなどさまざまな最低限の訓練課程が用意されています。これをしっかりとしていないと、医療現場では、本人さんが精神的につらいのではないかと思います。

また、この大学院では、同じ志を持った仲間が見つかります。この仲間は本当に大切です。一生を通じて、この仕事を続ける支えになってくれるでしょう。

  • 医療現場での「臨床心理技術者」としての資格として必要な場合が多い。

病院によって差はありますし、地域による違うもあると思います。私の知る限り、地方では、現在はほとんどのところで「臨床心理士」をもっていることを条件にしています。認定心理士でも可とするところでは、お給料がとても少なかったり、カウンセリングをさせてもらえず、心理テストを毎日やるといったところも多いようです。もちろん、それでも自分なりに仕事を作っていくことはできますが、そういう病院では「心理士さんはテストをする人」と上司が考えているケースも多いので、それ以上のことを仕事としてしたいときには、なかなか難しいこともあります。


また、現場の先輩は、ほとんど臨床心理士の資格を取っていると思います。その中で、臨床心理士の資格を持っていないと、かなりの引け目を感じることになります。あの試験は、なんというか「通過儀礼」みたいなところがあるので、「あのくらいクリアしてないとね」といった雰囲気をどちらからかともなく感じるような・・・。

  • 研修の機会


臨床心理士をとると、国と県の臨床心理士会に所属することになります。双方においてリーズナブルな値段で質の良い研修を受け続けることが出来ます。このことも専門職として続けていくのには、やはり欠かせませんね。もちろん資格がなくてもいろいろ探せばありますが、価格が非常に高かったり、営利目的のセミナーがまじっていたりと、個人が見分けるには難しいことも多いようです。

  • 国家資格化への運動

今年の8月で国会提出されたのですが、あの騒動で流れてしまいました。それでも多くの方が国家資格化に向けて運動されています。いちばん近いのはやはり「臨床心理士」だと思いますし、それを念頭において資格が作られています。


これは、どうなるかはまだわかりません。
それよりも、私としては次の理由で、ぜひ資格を取るべきだとすすめます。

  • 心理的理由として、「専門家であるという自負=心理士関係でいちばん大きい臨床心理士資格」を持っていないと、やめたくなってしまったときにくじけてしまうから。


取得するのが難しい資格であるだけに、プライドと継続・向上の意思が生まれます。仕事自体が、とてもやりがいあるよい仕事ですが、いつでも楽しいわけではないので、やはりそういうものが不可欠です。


専門職として、職人として、プロとして、誇りを持って技能を磨き上げていきたい!


そう思わせてくれる力が、苦労したとった資格にはセットでついてくるのではないでしょうか。ええと、これ、なんでしたっけ?社会心理学でありましたよね。均衡理論かな?


まあ、とにかく、職人として一生研鑽し続けるに足るいい仕事です。あんまり、報われない地味な仕事だけど、でも心の中のやりがいはもう「自分の中では赤じゅうたんにノーベル賞」なみにすごーく華やかで大きいです☆ 


臨床においては、本当にいい仕事がなされたとき、それは気づかれないものなんです。未然に防いでいたり、気づかないうちによくなったり、クライエントさんがしっかり自分の力を発揮できたり・・・。だから、こっそり自分にリムジンでグラミー賞(もうなんでもあり)です☆☆