看護学校で教える


来年度の教科書を決めないと・・・。
しっくりくるものがなかなかないので、毎年いろいろ変えて試しています。今年は看護学校3つで(!?)教えるので、2種類の教科書を考えています。


カウンセリング練習帳―人間関係システム視点

カウンセリング練習帳―人間関係システム視点

アメリカのジョージ・ワシントン大学博士課程で学び、さらにジョージタウン家族センターで1年間研修を受けた著者が、カウンセリングについてわかりやすくシステマティックに書いた教材です。


看護学校では、7時間〜15時間が臨床心理学に当てられています。基礎心理学とカウンセリング理論が別のところもあります。


わたしとしては「とにかく臨床で役立つ心理学」を、ほんとうに使えるように考えつつ練習しつつ学ぶという授業を心がけています。そうじゃないと、専門科目じゃないから、たいくつな無駄な時間になっちゃうでしょ?ぐーぐー授業中に寝られるのも嫌だし・・・。


この教材は一度使ったことがあるのですが、共感や信頼関係の形成、自己コントロールという難しい概念を、シンプルにわかりやすく、実践的に効果的に学ばせてくれるものです。対人関係スキルを求める看護師のたまごさんたちにとても喜ばれます。初歩的なテキストに見えますが、大切なポイントをきちんと伝えようとしてくれている良い本だと思います。


心理臨床の海図

心理臨床の海図

わたしはこのテキストで講義を受けたことはないのですが、愛する後輩たちが評価していたので、わたし自身も手に入れて、それからとても気に入っているテキストです。看護学校で使うには、かなり高度であるように思います。薄いわりに、中身の濃い本です。たとえば「第4章 心をどう癒すか」だけでも、1年間ぐらい講義できそうな本です。でも、1つの学校では、わりと高度な「心の科学」を求められているので、来年度この本でやってみようと思い、熱意を感じています。


しかし、臨床経験が5,6年を越えても、学ぶところのある本というのは、本当に「海図」ですよね。


あと10年ほど経験をつんだら、臨床心理学科で学生と一緒に学びながら講義してみたいなあと思ったりもします。


それだったからこんなテキストがいいかなあ・・・。

心理援助の専門職になるために-臨床心理士・カウンセラー・PSWを目指す人の基本テキスト (臨床心理学レクチャー)

心理援助の専門職になるために-臨床心理士・カウンセラー・PSWを目指す人の基本テキスト (臨床心理学レクチャー)

  • 作者: マリアン・コーリィ,ジェラルド・コーリィ,下山晴彦
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2004/04/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 1人 クリック: 7回
  • この商品を含むブログ (7件) を見る
必要不可欠なことを余すところなく説明してくれているよい本です。こういう本をテキストとして学べる心理臨床先進国がうらやましくなるくらい・・・。


カウンセリング・ワークブック―熟練カウンセラーをめざす

カウンセリング・ワークブック―熟練カウンセラーをめざす

海外のテキストらしく、非常に系統立てたやり方で、「自分に気づく」という大切なスキルを学ばせてくれます。とにもかくにもカウンセリングにおいては自分自身が道具なわけですから、自己と向き合う技術はどれだけあっても極まることがありません。


心理療法入門―初心者のためのガイド

心理療法入門―初心者のためのガイド

あーでも、もちろんこの本ははずせないですけど☆


ところで、最近お気に入りのすごい本

神経症と人間の成長 (ホーナイ全集)

神経症と人間の成長 (ホーナイ全集)

なぜか第6巻しか持っていないのですが、いい巻です。3800円しますけど・・・。50年以上たっても色あせない本というのは、ほんとうにすごい。


臨床5年目を過ぎたら、古典が身にしみるようになってきました。
年月の洗礼を受けたものは理由があるんだなあ・・・としみじみ思います。
ナガサワさんがそんな感じのこと言ってましたね☆
(これでわかれば、あなたはわたしの愛する仲間!)


もちろん、本ばかり読んで受身になっているのではなくて、自分の頭で自分の理論を考え出すことも必要です。けれど、時には刺激を受けたり知識と思考の道筋を整理するために、人間の大いなる遺産を利用するのもよいものです。いずれにせよ、本は10人が読めば10通りの解釈があるわけですから。


おっとっと。シラバスをつくろうとおもっていたら長々書いてしまった・・・。
また明日にしよう〜。


おやすみなさい。


Happy Dreams,


XXX