バレンタインの贈り物
もしも私が心から愛する人に贈り物をえらぶとしたら、
その人が人生という曲がりくねった道で
希望という名の一筋の光に照らされ続けるよう、
周囲から押し寄せる悪意や無理解という苦痛に打ち負かされぬよう、
自分のあるべき姿を見失わずに正しく信じて行けるよう、
こんな本もいいかもしれない。
- 作者: マルクスアウレーリウス,神谷美恵子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
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第2章15
人間の魂が自己をもっとも損なうのは、自分にできる範囲において宇宙の膿瘍や腫瘍のようなものになる場合である。なぜならば何事が起こっても、そのことにたいして腹を立てるのは自然にたいする離反であって、他のあらゆるものの自然はその自然の一部に包括されているのである。つぎに人間の魂が自己を損なう例としては、ある人間にたいして嫌悪の念をいだいたり、または怒っている人びとの場合のように相手を傷つけるために、はむかって行く場合がある。第三に、人間の魂が自己を損なうのは快楽または苦痛に打ち負かされた場合。第四に、仮面をかぶって不正直に、不真実に、行動したり話したりする場合。第五に、自分の行動や衝動をなんら一定の目的に向けず、でたらめに、関連なしに、なんでもおかまいなく力をそそぐ場合。ところがもっとも小さなことでさえも、目的との関連においておこなわれるべきなのである。(後略)