ケッヘル

ケッヘル〈上〉

ケッヘル〈上〉

ケッヘル〈下〉

ケッヘル〈下〉


タイトル、作者、装丁・・・すべてすばらしいですね。


値段をのぞいて・・・


いや、まあ普通なのですが、本棚のスペースと専門書の購入率を考えて、小説の新刊は買い控えているのです。図書館を利用し始めたら、ほとんど買う必要がなくなっていたのですね。


でも、ひさびさに、これはやっぱり買いたいかも〜〜〜!


でこぽんさんの書評を読んで、「買う」と決意。
http://d.hatena.ne.jp/yookoo/20060621/1150981223


中山可穂は、私がかならず読む作家の一人です。
今のところすべて読んでいます。どれもすばらしい。特にこれかな?
サグラダ・ファミリア 聖家族 (新潮文庫) 白い薔薇の淵まで (集英社文庫) 感情教育 (講談社文庫) 


男と女という形ではないかもしれないけれど、そんなことも てんで気にならないというくらいの恋愛小説です。


恋に落ちるという幸福、苦しみと喜び、相手の気持ちと体のすべてを請う血を吐くような叫び、相手を傷つけて苦しめているとわかりつつも抑えられない激しさと狂おしさ、ともに過ごしているときの甘美な高揚感の中でも消えない不安と絶望・・・


自分の心から目をそらすことなく、美しい恋の感情の中に必ず潜む、汚く弱く醜い部分さえもすべて自分の(主人公の)恋愛の物語として書き切るという心理的な力は、すごいものだと思います。自分の翼をむしりとって書いているのだろうかと思わずにはいられません。


あー『ケッヘル』〜、金曜日に買っておけば今週末堪能できたのに〜
てとちゃん(入院中の愛猫)の病状に関する不安を忘れられたのに〜