オーバー・ドーズは自傷行為なのか?


これもまた、なかなか難しい問題ですよね。


自分を傷つける行為でありながら、自分を守る行為という側面もあります。リストカットもそうですよね。リストカット&オーバー・ドーズ*1をしなかったら、もっともっと自分自身や周囲との関係や社会生活そのものを損ないかねない行為をとってしまうかもしれない。自分自身をもっと苦しめることになるのかもしれない。


そういう危険性から自分を守るために、「応急処置」としての自分で自分を守る対策として自傷行為もオーバー・ドーズもあるのではないかと、私は考えています。これまで生きてきた中で、できる限りの、知る限りの、自分を守る行為なのかもしれません。人は、習わなかったやり方・教えられなかったやり方はできないのです。


そのような応急処置も、やはり自分を損なう部分があるので、「もっと自分にとって優しい応急処置、社会的にも自分にとってももっと望ましい処置、今まで教えられなかったやりかた」に代替していくほうがいいんですよね。けれど、「今までの環境の中で知っているやり方」をやめて、新しいやり方を身につけることは、逆にとても恐ろしいことです。難しいことです。勇気もいる。タイミングもいる。援助者も必要かもしれない。


それでも、がんばってよりよい方法を見つけようとする人々がいる。
それは、人間というもののすごい力だと私は思っています。



*1:オーバー・ドーズ (出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia』)
オーバードーズover doseとは化学物質(多くの場合、薬品やいわゆるドラッグ)を、生体のホメオスタシスがそこなわれるほど多量にまたは集中的に摂取にすることによって起こる。深刻な症状を引き起こし、死ぬ場合もある。本質的には生体における毒の作用の一例である。Over Doseのそれぞれの頭文字をとって、ODと略される。