カリフォルニアをめぐる冒険 アメリカのワーカーの精神衛生について

サンタバーバラの教会



サンタバーバラはキレイだったなあ・・・。
今日から無事サンディエゴに入りました。
明日から学会です。わくわく。どきどき。
たくさん聞きまくりたいような、あそびまわりたいような。


サンディエゴは、なんというかメキシカンで観光的(トゥーリスティック)です。
サンタバーバラは美しかったなあ・・・。
サンディエゴは思ったよりでかくて、アメリカ人の観光客がたくさんいる気配です。
でも明日ダウンタウンや学会に行くと違うかな?
アメリカの精神科のドクターたちをごっそりと眺めてくるぜ!
ほとんどの人が自分自身もセラピーに通っているよと友達から聞いたけど、やっぱそうかな?


まあとにかく、買いすぎた荷物やもらいすぎたプレゼント(重いもの)のために荷造りに四苦八苦してなんとかついたサンディエゴです。今日はまだ夕方なんだけど、ゆっくり眠ります。


その前に空港で書いておいた観察記をのせておきますね☆


1.空港やホテルのチェックイン係、レジ係の動きの致命的な遅さについて


信じられないくらい遅い。
アメリカでは、まだ国内線に乗るために1時間前に空港に行かなくてはならない。おそらくはこの致命的な処理スピードの遅さのためだろう。
すぐに3人くらい列について待つことになるが、係りの人は一向にあわてる様子もない。他の人がやってくる気配もない。そうそう、アバクロのお店でも私は愛する人々のためけっこうたくさんのものを買い込んだのだが、キュートな顔&ナイスバディのお兄さんがひとりでレジをこなしており、その処理速度の遅さといったら・・・私の後に6人くらいのうんざり顔の人々の列ができてしまったほどだ。
たいていの商品にはアレ、入り口をとおるとぶびーっと音がするタグがついている。お兄さんはひとつひとつていねいにバーコードを読み取り、タグを取り、たたみ、最後によっこらしょと袋につめこんでいた。せっかくたたんだものがだいなしになりつつも。その間15分くらいはかかっただろうか。しかし彼はいっこーうに焦る様子も急ぐ様子も他の人を呼ぶという気配もない。そして他のスタッフはどうしているかというと、お客さんとおしゃべりしたり、ぼちぼちと店内の洋服をたたんだりしている。


空港でもホテルでも同様で、誰かが前で係りの人と話していたら、わたしはじとーっとあるいはぼんやりをそのやり取りを聞きながら待つことになる。あまりに長いので、ときどき後ろの人と会話が始まったりする。
映画でよく、空港で列の後ろ並んでいる人が怒り出すシーンがあるが、あれは誇張でもなんでもないのだ。もうとにかく手際がわるいというのか、「速くする」ことに価値をおいていないというのか。It just takes years and years!!(とにかくすっげぇ時間がかかるんだぜ)
ホテルのチェックアウトも同様であるので、私は友人の勧めを受けて(Thank God!ありがたいアドバイスだった)、前日の夜にチェックアウトした。そのときも係りの人は前の人の申し出についてなにやらごにょごにょ非効率的に処理していて、とにかく待った。「さっさともうひとりフロント係が来たらどうなのよ?」と思っていたら、セキュリティマンが来た。しかし、チェックアウト作業は彼の仕事の範疇にはなく、結局私達とちょっとおしゃべりをしただけである。しかしセキュリティの仕事の方はいいのかね。


このように考えてみると、仕事をしている人たちのメンタルヘスルは断然アメリカの方がよいであろうと考えられる。あまりストレスを感じず、とーーにかく、マイペースにやっている。急がない。焦らない。そのぶん飛行機なんかも乗客を待ってくれるし、ちょっとの重量超過も見逃してくれるし、わりとフレキシブルである。
とにかくみんなマイペースで、シリアスな感じがしない。
「ありのままの自分」で常に仕事をしている。
空港で飛行機に荷物を詰め込む人は、i-podなどを聞きながらぷりぷりと踊ったりしている。キオスク的なお店の店員は鼻歌を歌っている。ゆったりとレジを打ちながら。
日本では、「働く」となると誰でも「仕事用の仮面」をかぶっている。「別の自分」になる。お客さんに冗談を言ったりしないし、とにかくてきぱきと効率よくたくさんの仕事をする。まじめな顔で、まじめな態度で。また、そういった態度が求められている。会社から。社会から。私たちは精一杯それに応える。時間内にきっちりと会社や社会が望む人間になる。それが日本人にとっての「働く」ということなのだ。時間と人格をあるていど差し出してしまう。その間は求められたことはなるべく応じるべく、心の中も変化するのである。


おっとさらに空港の愚痴を述べさせてもらえば、標識や案内のアナウンスはとぉぉぉにかく不親切。アナウンスは早口でぶっきらぼうだし、日本のようにやさしく聞き取りやすくナイスな感じではない。私はサンタバーバラからロスに向かうとき、けっこうのんびりしていたんだけれど(「アナウンスはまだかなー」と思っていた)、手荷物検査では「ちょっと、その上着も脱ぎなさいよ」てなことを言われるし、「○○〜(苗字呼び捨てのように聞こえる)カウンターまで来なさいー飛行機出ちゃうわよー」と呼ばれたりする。日本のように「恐れ入りますが・・・」「大変申し訳ございませんが・・・」というニュアンスは全くない。これも慣れないとなんだかいつも叱られているみたいな気持ちになる。もしくは、悪いことしているみたいな気持ちになる。
そんなわけで英語でしゃべっているとこちらもじゃんじゃん強気な話し方になってくるのは否めない。
私の妹は1年間ニュージーランドにいたんだけれど、彼女も英語で話すと性格が違う。積極的に自己主張するし、じゃんじゃんつっこんでいく感じである。誰にでもため口で話しかけていく。そのように人を変える空気が英語という言語にはあるように思う。



2.他の州はよくわからないけれど、カリフォルニアではとにかくみんな前からつっこんで駐車する。


誰も「お尻から車を入れたほうがあとで出やすいしー」とは思わないみたいだ。
とにかくみんな頭から。駐車場はだいたい進行方向にしたがって斜めになっていて、まず後ろ向きに駐車するのは難しそうにできている。あとはとにかく路上駐車。まあ道路も広いし、みんななんだかおおらかに適当に運転しているし。信号も少ない。一旦停止が多い。車は右側通行なんだけれども、赤信号でもいつでも右折できるらしい。日本でいえば常に左折可能ってことだけど・・・いいのか、それで?まあ、ぶつかってもあんまり気にしないような人々だけれども。
車はとにかくみんなでかい。日本ではほとんどみないようなトヨタのトラックとか、フォードのエクスプローラーみたいなのばっかり。でかくないとだめらしい・・・。しかし、保険などは車の大きさによるわけではない。車の「価値」によるのだそうだ。だから、大きな車に乗っていてもふるい車なら保険は安いんだって。そういえば税金はどうなのかな?プリウスも何台かみかけました。ピカピカだったし、たぶんお金持ちがのっているのでしょう・・・。


3.トイレのドアの隙間についての考察


しかし、このドアの下のすきまと、隣との境目のすきまはなんとかならんもんかね?
人が出入りできるくらい空いている。常に、どこでも。「アリー・マイ・ラブ」なんかでトイレで人を探すときにドアの下の隙間からのぞく足をチェックするシーンがあったけれど、まさにあんな感じ。用を足しているとき、隣の人の足もちらちら見える。音などはまったくさしつかえないらしい。
そういえば、前々から思っていたけれど、アメリカではちーんと鼻をかんだり、ぶぶっとおならをしちゃうのは、そんなに恥ずかしいことではないみたいである。どちらかというとスープをじゅじゅじゅーっとすすること、鼻をぐずぐずさせたりずびっとすすることが恥ずかしいこととみなされるようである。
とにかく鼻をぐすぐすさせていると「鼻かんだら?」とつかさず言われる。「鼻かんだ方がよくない?」って感じで。
しかし、どうにもこのトイレの隙間のでかさはおちつかないわ。


ところでいま、ドフトエスキーはけっこうおもしろそうなのでおいといて(よさそうなものは一気に読めない)、読み始めた重たい新潮文庫が意外にヒットしています。おもしろい。

天涯の船〈上〉 (新潮文庫)

天涯の船〈上〉 (新潮文庫)

天涯の船〈下〉 (新潮文庫)

天涯の船〈下〉 (新潮文庫)

アメリカに行くからアメリカものを、とおもってセレクトした本。
明治にアメリカに両家の子女の身代わりとしてわたった女性の生涯を描いています。志と愛、悲しみと苦しみ、憎しみと慈しみ。じわっと涙するところあり、ハラハラするところありで、しっかりとひきこまれました。とてもよいです。さっき下巻に入ったので、ベッドに入って一気に読みつつ今日は眠ることにします。