家日和のよさ


家日和

家日和

短編集です。
家の中でのできごとがつづられています。それでもけっこうスリリングでドキドキして、どうなっちゃうんだろうと読み進めると、ほんわかと心が温まるエンディングに出会います。ここが、この作者のステキなところだなあと思います。


でも、なんといってもこの作者の作品でおすすめなのはこちら!

空中ブランコ

空中ブランコ

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

町長選挙

町長選挙

すんごい個性的な神経内科医(だったかな?)が、精神科のような外来をつくっており、そこに途方に暮れた患者さんたちが訪れます。でも精神科ではないので、健常圏でありながら、困った症状をかかえた人がやってきます。そしてその診療風景は、なんというか患者さんに「こんな症状で治療を受けなくてはならないなんて」という無力感を与えずに、主治医に無力感を感じるようなもの。「こんな医者でいいのか・・・治るのか・・・?」と果てしなく途方に暮れながら、通常の権威的な診療ではないので、なんとなく安心感を持って通ってしまうのです。その治療過程はもう爆笑のコント的なやり取り。でもそのなかで、その人の持つ力が立ち上がってくるというステキな物語です。未読の方はぜひドウゾ☆
かちかちの教科書的なカウンセリングをしがちな若手カウンセラーにもぜひ読んでほしいです。


人間を治すのは人間の力。


それは本人のチカラなのか治療者のチカラなのか、あるいは関係の力なのかわかりませんが、本当に人間の力だなあってことを感じてください。