『可能性としての心理療法』

横浜



タイトルにぐぐっときますね。
児島先生は家族療法、システムズ・アプローチというような立ち位置になるようですが、理論に囚われず、とても柔軟に「目の前のクライエントを少しでも楽にする、少しでもお役に立つ」ことを考えておられる先生だと思います。


http://www.kazoku-shinri.com/interview/kojimaintabyu.html


そこでこの本。いいタイトルですよね。
これから買ってみようと思っている本です。

可能性としての心理療法

可能性としての心理療法


この先生はあのステキな失敗例の本の訳者の一人なんですね。

ありがちな心理療法の失敗例101―もしかして、逆転移?

ありがちな心理療法の失敗例101―もしかして、逆転移?

  • 作者: Gerald Schoenewolf,Richard C. Robertiello,リチャード・C.ロバーティエロ,児島達美,高田夏子,ジェラルドシェインウルフ,武藤晃子
  • 出版社/メーカー: 星和書店
  • 発売日: 1995/09/01
  • メディア: 単行本
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失敗例のいい本はとても少ないので本当に貴重ないい本だと思います。


失敗例や、その場その場でのやり取り、家族などシステム、カウンセラーのある介入の意図・・・そういったすべての要素を明らかにして冷静に見つめていこうとしながらも、目の前のクライエントを大切に支援する、これこそがカウンセリングの真髄ではないかなと思います。そのなかに分析的視点や行動療法的なアプローチ、認知療法的なアプローチを必要によって取り入れていく、それが何であろうとクライエントの役に立つと思われるものを、これが最善ではなかろうかと悩みぬいたタイミングで取り入れて、その様子をセンシティブに見て、場に応じて変えていく、そういったことをすべてどこまで自覚的に、精神療法理論の視点をもってできるか、というところが心理療法家の腕であり技であり知恵なのだと思います。


日本には比較的「感覚的に」カウンセリングをしているカウンセラーが多いと感じているのですが、やっていることが結果的にクライエントにとってよいことだとしても、やはりそのことを自覚的に意図的に考えられるようになるべきではないかと日々思っています。