ペット心理学、べるさん

べるさん



 実は我が家には犬が2匹、猫が2匹いる。
 今日の読売新聞に掲載されていたけれど、ペットを飼っている独居高齢者は、ペットを飼っていない独居高齢者に比べて、高い機能を保つことができるそうな。


 確かにペットがいると、

  • 運動量が増える:さんぽ、おいかけっこ、かくれんぼ、相撲など
  • 飼い主が会話と思い込んでいる独り言が増える:会話において使用される脳の部位の血流量、活動量の向上
  • 飼い主の表情筋がよく使われる:でれっとした顔をしたり、にらめっこをしたり、怒った顔をするため
  • こころが安らぎ、血圧が下がる:ペットの毛並みをなでなでしていると落ち着く。かわいい顔を見ていると落ち着く
  • 自分を「なだめる」ことができる:ペットに対して「なだめる」ような声の調子の猫なで声をつかって「かわいいね〜」「いいこだね〜」とささやくことによって、自分自身のささくれ立った心もまたなだめられる。


というような効果がある。


 心理学的にも、人間は不安なとき、愛情飢餓感があるとき「ふわふわしたもの」を無意識的に求めるという。つまり、女子高生などが携帯にじゃらじゃらフワフワしたものをつけたり、モコモコした格好をしているときは、実は寂しくて、甘えたくて、愛情を求めているというサインである可能性がある。


 カウンセリングを受けている人に多い傾向として、「寂しくても、かまってほしくても、認めてほしくても、愛してほしくても、それを周囲に言葉で伝えることが出来ず、勝手に“だめなんだ”と思い込んで我慢し続けている」ということがあげられる。ダメといわれて傷つくことを恐れて、言えなくなっている場合もあるし、実際に何度もダメと言われきた人もいる。だから、「さみしいよー、ちょっと手をつないでてよ」ということが怖くて口に出せなくなっている。


 患者さんに限らず、日本人は総じて甘えベタで我慢強いと思う。いったん大人になってしまうと、欧米人のようにキスしたりハグ(軽く抱きしめる)したりというスキンシップをとる習慣があまりない。だからこそ、そういった甘えをストレートに伝え、常に受け入れてもらえるペットの存在意義が大きいのだろうし、需要も大きいのではないだろうか。


 私なんかも、てとさん(ふっくらしたネコ、毛深い)のおなかをもふもふと触っているとえもいわれぬ落ち着きが得られる。「かわいいてとー」「ふっくらネコー」と連呼することによって仕事のストレスも和らぐ。我がいきものたちはカウンセラーをも癒している! 臨床心理士を癒す、すごウデのネコ!