英ゼミ効果

(わかる人にはわかるぼかし写真。英ゼミのみんなと先生)


つい最近、私の愛する後輩たちに「ブログを見ろ〜いや、見るな〜」とアンビバレントなメッセージを送ったから、というわけではないんだけど、ちょっと大学院の「英ゼミ」について書いてみようと思う。


私が行った大学院の学部には、「英語で心理学を学ぶ会」という自主ゼミがあった。週1回自主的に集まって、英語のテキスト(アメリカなどで『心理学Ⅰ』という感じのクラスで使われる分厚いハードカバー)を使って心理学を勉強しよう!というすばらしい主旨のもとに集まったメンバーである。1年生から4年生までおり、年々高まる心理学への関心もあいまって、初回から1ヶ月はとってもたくさんのメンバーがいた。

Atkinson and Hilgard's Introduction to Psychology With Infotrac

Atkinson and Hilgard's Introduction to Psychology With Infotrac

  • 作者: Edward E. Smith,Susan Nolen-Hoeksema,Barbara L. Fredrickson,Geeoffrey R. Loftus
  • 出版社/メーカー: Wadsworth Pub Co
  • 発売日: 2003/01/01
  • メディア: ハードカバー
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こんな感じの。(大学院受験にも、自分の知識の整理にもおすすめ)



そこで私は、教授から英語力をかって頼まれた…というよりは流れとして、「ちょっとみてやってよ。僕、行けないことも多いから。ギャラは日本酒で☆」というお言葉に釣られて、アシスタント指導員というか、今で言うTTみたいな感じで2年間仲間に入ってしまった。


大学院の1年生が、学部生に教えるわけだから、今考えるとちょっとはずかしい・・・。なんだか黒板なんかも使って、心理学用語や概念について説明したりもしていたなあ・・・。あれはあっていたのだろうか?(たぶん、院の激しい入試に備えて猛勉強した後だったからできたんだろうと思う。だから・・・たぶんあってた・・・と思う。)


そのゼミでは英語のテキストを日本語に訳していくのだが、これが結構難しい。英語で書かれた心理学の論文などを、日本語に訳す際には、英語の知識・日本語の知識・訳し方の知識・心理学用語の知識・心理学の概念の知識が、実は要求される。
それを、学部の1年生が一生懸命訳す。大学入試英語しかしてこなかった1年生にとっては、最も楽しくも苦しいハードルだったと思う。そんな時私が優しく(注:かなりの反論が予想されるが)・・・優しく・・・何をしたかな?(生半可な動機付けの参加者が減って、メンバーが3分の1になるような優しい指導かも☆)


ふと思うと、楽しく飲みながら、心理学おたく的な話や、メンバーの恋愛相談におもしろおかしくのったり、ぎゃーぎゃー笑ったり・・・なんだか今となってはそんなことしか思い出せない。結構勉強もしたはずなんだけど。うん。みんなでよく学び、討論した。教えて、教えてもらった。


考えてみると、「教える」という行為は、自分にとって一番教えられる行為であると思う。「〜って何ですか?」「〜なのはなんでですかね?」と彼らがフレッシュに貪欲に目をキラキラさせてこちらに問うとき、私の中でも「ん?なんだっけ?あれ、これって本当にこれでいいのかな」と当たり前と思っていたことにも疑問を持てる。新しい角度から知識を見つめなおす。知識を整理する。そしてまた新しく自分の中で発展させる、ということが可能になる。
この英ゼミ効果によって、私もまた、多くを勉強し、考えることができた。そして「教える」という仕事の魅力も教えてもらった。それによって今も専門学校などで臨床心理学を教えている。これがまた楽しい。日々発見があって学びがある大好きな仕事の一つである。


ふと気づくと、英ゼミで私が見守った1年生たちも、大学院を修了し、立派な臨床心理士などとなって働いている・・・。今でもたくさん教えられることがある。大切な同業者友達となっている。


こういう出会いって本当にいいものだ!
今でも感謝しています。
愛する後輩たち。もしこのブログにたどり着いたら、遠慮なく意見反論など書くように☆


そしてまた、偶然ここを訪れてくれた方も、よい出会いになるよう、遠慮なく言葉を残してくださると嬉しいです。