小学校に勤務していておもうこと


小学校にスクールカウンセラーとして勤務していて、思うことがある。


ある親は
 なぜ、毎日大声でしかるのだろう。
 なぜ、毎日ひとつほめてあげないのだろう。
 なぜ、「ありがとう」と言わないのだろう。
 なぜ、「大好き」と言わないだろう。
 なぜ、ぎゅっと抱きしめないのだろう。


ある親は
 あまりに、仕事が忙しすぎるのかもしれない。
 あまりに、疲れているのかもしれない。
 あまりに、他のことでイライラしているのかもしれない。
 あまりに、夫婦で憎み合っているのかもしれない。
 あまりに、「いい親」であると認められようとしすぎて
       「がんばって」叱っているのかもしれない。
 あまりに、「だめ親」と見られていて、何をしていいのか
       わからないのかもしれない。
 あまりに、何も考えずに何の方針も持たずに
       子どもを叱ったり甘やかしたりしているのかもしれない。
 あまりに、自分が楽なように、そのときどきで
       子どもをコントロールしたいのかもしれない。
 あまりに、自分に厳しくしすぎていて、
       子どもにも厳しくするしかないのかもしれない。
 あまりに、自分が叩かれて蹴られて怒鳴られて育ったので
       他のやり方を知らないのかもしれない。
 あまりに、自分のことが嫌いだから、
       子どもにも嫌われていると思っているのかもしれない。
 あまりに、つらいことでいっぱいで、
       子どもを愛してあげられないのかもしれない。


いろんな家庭がある。いろんな親がいる。いろんな子どもがいる。感受性の強い子どもが、苦しんでいる親の元で育つ、この組み合わせがどちらも一番苦しいのかもしれない。そして、苦しんでいる親ほど、助けを得られない場所にいる。そんなときのために、小学校にスクールカウンセラーがいて、しっかりと働くべきなのだろう。


中学校でのスクールカウンセリングとは異なり、小学校でのスクールカウンセリングは「早期発見と予防としての介入」が可能であり、それこそが業務なのだと私は考えている。