『まずい面接−マスター・セラピストたちが語る最悪のケース』!!


すす、すばらしい! 
つねづね、「もっと心理療法失敗例の本がでないものか」と思っていたら、こんな新刊が出ました! すばらしすぎる!

まずい面接―マスター・セラピストたちが語る最悪のケース

まずい面接―マスター・セラピストたちが語る最悪のケース


一部抜粋しますね。まだ第1章までしか読んでいませんがすでに深い感銘を受けています。「まずい面接」を率直に振り返るベテランの言葉ほど、深い学びが起こるものはないですね!! 

自分自身の最悪な面接から学ぶこと


 失敗症例についてのセラピストの談話をまとめた文献を見ると、面接が膠着状態になったときに相談すべき人として、スーパーバイザーはもちろんだが、クライエントも忘れてはならない(Hollon, 1995)。ホロン Hollon, S. D.によると、クライエントについては、必ずしもその意見が正しいかどうかが重要なのではなく、結果に最大の影響力がある見方の一つだからこそ、聞く耳をもつ必要があるのだ。

 
 要するに最も大切なのは、私たちが自身の失敗や間違いから何を学ぶことができるかということである。これから紹介するこの業界のトップレベルの臨床家の語る失敗談は、非常に面白いものであることはまちがいないだろうが、自問すべきことは、こうした達人の失敗から何を学べるのか、そして、自分自身のまちがいからは何が学べるのかということである。


 p24 序章〜ジェフリー・A・コトラー&ジョン・カールソン編『まずい面接』金剛出版 2009年〜

 心理療法で身を立てるのは、誰にでもできることだとは思うが、頭を使う仕事の中では、最も大変なものと言えるのではないだろうか(航空交通管制官を除く)。つらく厳しい仕事をする人とちがう点は、セラピスト自身があらゆることを自分のせいだと感じやすいことだ。それは、心理療法というものが非常に私的で深い部分にかかわっているからである。受け止めなければならない現実は、セラピストは、どんなに一生懸命勉強しても、たくさん研修を受けても、クライエントの要望すべてに応えることはできないということだ。それが、クライエントにとっては当然と思われても。この現実は、どんなに長い経験を積んでも、必死に集中しても、スーパービジョンを受けても、変わらない。さらに、自分自身に対して設定する完璧主義的な基準を満たすことは、絶対に無理だ。心理療法にたずさわる限り、いい治療をすることもあれば、時に質の悪い治療をすることもある。肝心なのは、その違いを見極められることだと思う。


ジェフリー・A・コトラー「第1章 肝心なこと」p34 〜ジェフリー・A・コトラー&ジョン・カールソン編『まずい面接』金剛出版 2009年〜

失敗例といえば、こちらが先行

ありがちな心理療法の失敗例101―もしかして、逆転移?

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  • 作者: Gerald Schoenewolf,Richard C. Robertiello,リチャード・C.ロバーティエロ,児島達美,高田夏子,ジェラルドシェインウルフ,武藤晃子
  • 出版社/メーカー: 星和書店
  • 発売日: 1995/09/01
  • メディア: 単行本
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名著:大学院でのテキストでした。
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購入したけど、未読。どうかな。
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これは未読。買ってみますね。